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オリジナルTシャツ素材選びの基本と用途別ポイント
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2020.09.07
オリジナルTシャツを制作する際、デザインと同じくらい生地選びは重要な要素です。
どんな素材を選ぶかによって、Tシャツの着心地や見た目、さらには耐久性まで大きく変わってきます。
せっかく作った一枚を長く愛用するためにも、素材の特性を理解し、目的に合った生地を選ぶことが大切です。
ここでは、Tシャツの素材選びについて、基本的なポイントをご紹介します。
オリジナルTシャツの素材選びの基本
なぜ素材選びが重要なのか
オリジナルTシャツを制作する際に素材選びが重要視されるのは、それがTシャツの品質や着用感を大きく左右するからです。
せっかくデザインにこだわっても、生地の質感が悪かったり、数回の洗濯で型崩れしてしまったりすると、着る人の満足度は低下してしまいます。
これは、ブランドイメージにも影響を与えかねません。
特に、ユニフォームや日常的に着用するアイテムとして制作する場合、繰り返し洗濯や着用に耐えうる耐久性のある素材を選ぶことが、長く愛されるTシャツを作るための鍵となります。
Tシャツ素材の代表格
Tシャツに使われる素材は多岐にわたりますが、特に代表的なものとして綿、ポリエステル、そしてそれらを組み合わせた混合素材が挙げられます。
それぞれの素材には独自の特性があり、着用シーンや好みに合わせて選ぶことが大切です。
綿(コットン)の特徴
綿(コットン)は、天然素材ならではの肌触りの良さと吸湿性、通気性に優れている点が大きな魅力です。
汗をかいても湿気がこもりにくく、熱を伝えにくいため、一年を通して快適な着心地を提供します。
また、染色性も高いため、鮮やかなプリントが映えやすいのも特徴です。
耐久性も十分にありますが、一方でシワになりやすく、洗濯後に乾きにくいという側面もあります。
そのため、洗濯時にはネットに入れたり、アイロンをかけたりといった工夫が必要になることがあります。
ポリエステル素材の特徴
ポリエステルは、化学繊維であり、その最大の特徴は速乾性の高さにあります。
汗をかいてもすぐに乾き、サラリとした着用感が持続するため、スポーツウェアやアクティブシーンに適しています。
また、シワになりにくく、型崩れしにくい性質から、お手入れが比較的容易です。
UVカット機能を持つものもあり、屋外での活動にも適しています。
石油由来のため虫食いの心配がないというメリットもありますが、天然素材に比べると肌触りがやや劣ると感じられる場合や、乾燥する時期に静電気が起きやすいという点には注意が必要です。
混合素材(混紡)の特徴
混合素材、または混紡素材は、綿とポリエステルなどをブレンドした生地です。
それぞれの素材の長所を組み合わせることで、よりバランスの取れた特性を持つ生地を作り出すことができます。
例えば、綿の肌触りの良さとポリエステルの速乾性や耐久性を併せ持たせることが可能です。
配合比率によって生地の質感や機能性が異なり、一般的にポリエステルを多めに配合すると柔らかく軽い質感になり、綿を多めに配合するとしっかりとした生地に仕上がります。
また、混合素材は単一素材に比べて価格が抑えられる傾向があるため、コストパフォーマンスを重視する場合にも選択肢となります。
レーヨンを混ぜた素材も存在しますが、プリントの特性などから取り扱いが限られる場合もあります。
生地感を変える編み方と糸の種類
同じ素材であっても、生地の編み方や使用される糸の種類によって、その質感や風合いは大きく変化します。
これらの要素が、Tシャツの着心地や見た目を左右する重要なポイントとなります。
代表的な生地の編み方
Tシャツの生地は主に「編み物(ニット)」で作られており、その編み方には様々な種類があります。
天竺編み
天竺編み(てんじくあみ)は、平編みやメリヤス編みとも呼ばれ、Tシャツ生地として最も一般的に使用されています。
生地の表面には縦方向の筋が見え、裏面はやや粗い編み目になるのが特徴です。
横方向への伸縮性に富み、比較的丈夫で通気性や吸湿性にも優れています。
リブ編み
リブ編み(リブあみ)は、フライス編みやゴム編みとも呼ばれ、生地の表裏で同じ編み目が見られるのが特徴です。
横方向への伸縮性が非常に高く、体にフィットするシルエットを作りやすいことから、インナーウェアや子供服などにもよく用いられます。
スムース編み
スムース編み(スムースあみ)は、リブ編みを裏合わせにしたような編み組織で、両面とも滑らかで均一な編み目を持つのが特徴です。
適度な肉厚感と優れた伸縮性を持ち、型崩れしにくいことから、きれいなシルエットを保ちやすい生地です。
肌触りが良く、おしゃれ着としても適しています。
ワッフル編み
ワッフル編み(ワッフルあみ)は、正式名称をサーマル編みともいいます。
表面に格子状の凹凸模様があり、お菓子のワッフルのような見た目をしています。
伸縮性に富み、保温性が高い一方で、肌にべとつきにくいという特性があります。
ハニカムメッシュ
ハニカムメッシュ(ハニカムメッシュ)は、蜂の巣のような格子状の凹凸がある編み目が特徴です。
通気性に優れており、汗をかいても肌にまとわりつきにくいため、快適な着心地を保ちます。
生地を左右する糸の種類
Tシャツの生地の風合いや品質は、使用される糸の種類によっても大きく影響を受けます。
特に綿糸には、製造工程の違いによっていくつかのグレードがあります。
カード糸とコーマ糸
綿糸には、主にカード糸とコーマ糸の2種類があります。
カード糸は、製造工程で短い繊維を一部取り除いた最もスタンダードな糸で、比較的安価に作ることができます。
やや毛羽立ちがあり、ラフでしっかりとした風合いが特徴です。
一方、コーマ糸は、さらに多くの短い繊維を取り除く「コーミング」という工程を経て作られるため、毛羽立ちが少なく、ツヤがあり、やわらかな高品質な生地に仕上がります。
洗濯後も生地表面の美しさが長持ちするのが特長です。
オープンエンド糸とリングスパン糸
紡績方法の違いによって、オープンエンド糸とリングスパン糸の2種類に大別されます。
オープンエンド糸は、紡績の際に空気の流れを利用して撚りをかけるため、繊維の間に適度な空間があり、空気を含んでいます。
この構造により、独特のシャリ感やガザ感があり、吸湿性や速乾性に優れているのが特徴です。
アメリカで人気のあるTシャツの多くにこの糸が使われています。
一方、リングスパン糸は、リング状の機械で均一に撚りをかける製法で作られ、糸の表面が滑らかで強度が高いのが特徴です。
厚みと機能性で最適な素材を見つける
Tシャツの厚みは「オンス(oz)」という単位で表され、生地の重さや厚みを把握する目安となります。
このオンス数や、素材が持つ機能性を理解することで、用途に合った最適なTシャツ素材を見つけることができます。
オンス(oz)で生地の厚みを把握する
オンス(oz/yd²)は、1平方ヤードあたりの生地の重さを示す単位です。
この数値が大きいほど生地は厚くなり、重くなります。
Tシャツでは、一般的に3オンス台から8オンス台の生地がよく使われます。
薄手(〜4.9オンス)
3.5オンスから4.9オンスの生地は、薄手から中厚手の一般的なTシャツ生地として扱われます。
夏場は涼しく、寒い季節にはインナーとしても使用できる汎用性の高い厚みです。
柔らかく肌触りが良いものが多いですが、透けやすい傾向があります。
標準(5.0〜7.9オンス)
5.0オンスから7.9オンスの生地は、「ヘヴィーウェイト」と呼ばれる厚手の生地に分類されます。
型崩れが少なく耐久性があり、一枚で着用しても透けにくいものが多く、しっかりとした着心地が特徴です。
中でも6.5オンス以上は「スーパーヘヴィーウェイト」と呼ばれ、より重厚感のある生地となります。
厚手(8.4オンス〜)
8.4オンス以上の生地は、主にスウェット(トレーナー)生地として使われます。
裏パイル(裏毛)や裏起毛があり、吸湿性や保温性に優れているため、防寒性や快適性を重視するアイテムに適しています。
用途別おすすめ素材の選び方
Tシャツの用途や目的によって、最適な素材は異なります。
それぞれのシーンに合わせた素材選びのポイントをご紹介します。
普段使いカジュアル
日常的に着用するカジュアルなTシャツには、綿100%の素材がおすすめです。
肌触りの良さや吸湿性、通気性に優れており、着心地の良さを重視する方に適しています。
5〜6オンス程度の厚みがあれば、耐久性とのバランスも取れ、長く愛用できる一枚になります。
スポーツアウトドア
スポーツやアウトドア活動でTシャツを着用する場合は、速乾性や通気性に優れたポリエステル素材や、ドライ機能を持つ素材が最適です。
汗をかいてもすぐに乾き、サラッとした着心地を保てるため、快適に活動できます。
UVカット機能付きの素材も、日差しが強い環境では役立ちます。
イベントユニフォーム
イベントやチームウェアとして複数枚を制作する場合、耐久性や洗濯のしやすさに加えて、コストパフォーマンスも考慮したいところです。
綿とポリエステルの混合素材は、それぞれの長所を併せ持ち、比較的丈夫で手入れもしやすいため、ユニフォームに適しています。
ヘビーウェイトの生地を選ぶと、型崩れしにくく、繰り返し着用しても安心です。
肌触り重視
肌触りの良さを最優先するなら、上質な綿素材、特にコーマ糸を使用した生地がおすすめです。
コーマ糸は毛羽立ちが少なく、なめらかでやわらかい風合いを持ちます。
また、スムース編みのようなきめ細やかな編み地の生地も、肌への心地よい感触を提供してくれます。
よくある質問
Q.Tシャツのシルエット、ネックライン、袖の選び方で、印象はどのように変わりますか?
A.Tシャツのシルエット、ネックライン、袖のデザインは、着用時の印象を大きく左右します。
例えば、タイトシルエットは体のラインを強調し、ジャストシルエットは標準的で爽やかな印象を与えます。
ビッグシルエットはリラックス感やストリート感を演出します。
ネックラインも、クルーネックは清潔感、Vネックはシャープで顔を小さく見せる効果、ラウンドネックはリラックス感やセクシーさを表現できます。
袖のデザイン(セットインスリーブ、ラグランスリーブなど)も、肩のラインの見え方や動きやすさに影響します。
Q.プリント方法によって、Tシャツの耐久性はどのように異なりますか?
A.プリント方法によって、Tシャツの耐久性は大きく異なります。
シルクスクリーン印刷は、インクを生地にしっかりと刷り込むため、洗濯や摩擦に強く、色落ちやひび割れが起きにくいのが特徴です。
一方、インクジェット印刷や転写プリントは、表現の自由度が高い反面、インクが生地表面に留まるため、摩擦や洗濯に弱く、劣化しやすい傾向があります。
刺繍や昇華プリントなども、それぞれ耐久性に違いがあります。
長期的な使用を考える場合は、シルクスクリーン印刷など、耐久性の高い方法を選ぶことが推奨されます。
Q.オリジナルTシャツを長持ちさせるためには、どのような洗濯方法がおすすめですか?
A.Tシャツを長持ちさせるためには、洗濯方法にも配慮が必要です。
洗濯表示を確認し、推奨される水温で洗うことが大切です。
洗濯ネットを使用すると、生地の傷みや型崩れ、プリント部分の摩擦を軽減できます。
また、乾燥機の使用は生地を傷めたり縮ませたりする可能性があるため、自然乾燥が望ましいです。
裏返して洗うことで、プリント部分の保護や色褪せを防ぐ効果も期待できます。
まとめ
オリジナルTシャツを制作する上で、素材選びはデザインと同じくらい重要なプロセスです。
綿、ポリエステル、混合素材といった素材の特性、生地の編み方や糸の種類による質感の違い、そしてオンスで把握できる生地の厚みを理解することが、理想の一枚を作るための第一歩となります。
用途や目的に合わせて最適な素材を選ぶことで、着心地が良く、長く愛用できるTシャツが完成します。
ぜひ、これらの情報を参考に、こだわりのオリジナルTシャツ制作にお役立てください。





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