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サガラ刺繍の由来とは?歴史や魅力も併せてご紹介します
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2023.07.28
刺繍には特有のデザインや表現があるため、歴史ある刺繍デザインに興味がある方も多いでしょう。
高級感のある刺繍作品からトートバッグにも使えるような可愛らしい刺繍作品まで、デザインの奥が深いのが刺繍の魅力です。
今回は歴史ある刺繍の中から、サガラ刺繍について解説します。
サガラ刺繍の由来や歴史など、刺繍の特徴以外の部分まで知っていただければ幸いです。
□サガラ刺繍の由来とは?
サガラ刺繍は日本でも古くから使われている技法ですが、その由来は中国にあります。
中国には三大刺繍と呼ばれる有名な刺繍技法があり、その1つがサガラ刺繍です。
三大刺繍には、蘇州刺繍、汕頭刺繍、サガラ刺繍の3種類があります。
サガラ刺繍のサガラとは地名のことで、技法が確立された土地から名を取って名付けられました。
三大刺繍にはそれぞれ特徴があります。
蘇州刺繍は品のある仕上がりが特徴です。
そのため、礼装用の着物として用いられてきました。
糸の本数を変えて刺繍することで、メリハリを付けて仕上げています。
汕頭刺繍は、蘇州刺繍に比べてカジュアルな着物に用いられてきた刺繍方法です。
細かい穴を無数に開けることで、透けたような生地に仕上がります。
表面が透けているため裏地の色も透けて見え、そこから個性が生まれます。
そしてサガラ刺繍は、三大刺繍の中でも特に歴史が長いことが特徴で、具体的には漢の時代から伝わる技法だと言われています。
日本でも古くから伝わっており、奈良時代の仏像の一部にはサガラ刺繍が使われていたそうです。
そのため、伝統的な着物でも使われる技法です。
□サガラ刺繍の歴史は?
ここでは、産業の観点からサガラ刺繍の歴史についてご紹介します。
古くから伝わるサガラ刺繍ですが、現代に至るまでに様々な変化を遂げています。
大量生産が可能になる前のサガラ刺繍は、職人の手によって一つ一つがミシンで仕上げられていました。
この時使われていたミシンは通常のミシンではなく、環縫い用のミシンでした。
このミシンの特徴は、表面は本縫いと同じような見た目でありながら、裏面は糸が鎖のように続いていく縫い方になることです。
1980年代に日本の刺繍機メーカーが開発したことで、サガラ刺繍は一般に広まりました。
更に1995年になると、多くの色を用いたサガラ刺繍が実現できるようになりました。
現代のサガラ刺繍は伝統的な着物だけでなく、ユニフォームやワッペンにも用いられるため、多くの色を使えるようになったのは大きな進歩と言えるでしょう。
また、生産効率の面でもサガラ刺繍は大幅に進歩しています。
かつては自動で刺繍できるジャガード刺繍機と、刺繍したいデザインを読み取る装置を別々に利用していました。
現在ではこれら両方の機能を組み合わせた、ミックス機と呼ばれる刺繍機を使ってサガラ刺繍の製品を生産しています。
例えばチームのワッペンやユニフォームの制作など、大量生産が必要な場面でも活用されています。
□相良刺繍の魅力とは?
サガラ刺繍は古くから伝わるデザインですが、決して古臭いデザインではありません。
現在でもカジュアルな衣服に用いられる刺繍方法であり、皆さんも気づかぬうちにサガラ刺繡の製品を身に着けているでしょう。
例えば衣服の立体的なロゴや、アメカジ系のファッションなどに用いられています。
サガラ刺繍が現代でも使われる理由は、おしゃれに見える独特のデザインや、存在感のある立体的な見た目にあります。
サガラ刺繍は立体的なデザインの中でも優しい仕上がりが特徴で、雑貨や小物に取り入れると可愛らしい雰囲気に仕上がります。
そのため季節を問わず使うことができ、これが人気な理由の一端となっています。
懐かしさを感じさせる雰囲気や特有の味わいを持つことから、独自のスタイルを確立していることも人気の秘訣でしょう。
現在は様々なアイテムに使われるサガラ刺繍ですが、サガラ刺繍で作品を作る際にはいくつかの注意点があります。
*穴があきやすい
サガラ刺繍はかぎ針を用いるため、繊維の切断による穴あきのリスクがあります。
ニットのように糸の密度が高い生地では、特に注意が必要です。
*糸引きしやすい
同じくニットのように糸の密度が高い生地を加工する場合、誤って他の糸を引っ張ってしまう場合があります。
ニットから糸が環状に飛び出ている状態をご想像ください。
糸引きは直せるものと直せないものがあるため、不安な方は刺繍しやすい生地を選びましょう。
上記の理由から、サガラ刺繍はフェルト素材を下地にして加工するケースが多い傾向にあります。
フェルト素材は比較的刺繍しやすい素材のため、機械で大量生産してもトラブルが少ないからです。
そのため、ご自身で挑戦したい場合はフェルトワッペンがおすすめです。
□まとめ
今回は、サガラ刺繍の由来や歴史、魅力について解説しました。
サガラ刺繍は古くから伝わる刺繍方法ですが、現代でも特有のデザインとして確立されており、ファッションや雑貨、小物などで広く受け入れられています。
一方で、刺繍する際には生地を慎重に選ぶ必要があり、ご自身で挑戦する際にはフェルトワッペンがおすすめです。